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LAN配線をきわめる 日経NETWORK 00.06より

典型的な配線ミス 7項目

1 ハブへの配線が込み入り過ぎている

2 ケーブルのかたちが崩れるほどキツク束ねている

3 ケーブルを折り曲げるのはご法度

4 ケーブルに巻ぐせがついたままの状態で使ってはいけない

5 コネクターとケーブルの隙間で芯線がむきだしになっている

6 延長コネクターを使うのは避ける

7 コネクターの付け根でケーブルが折れ曲がってはいけない


LAN配線の手順「プロの技(13のルール)」 ステップ1〜4


ステップ1 オフィスの調査と設計

ルール1 まず最初にLANスイッチの置き場所を決める
       レイアウト変更を考慮して、動かさずに済みそうな場所を選ぶ。

イ. オフィスの調査のポイント

   機器の配置、ケーブルの道筋 、電源の場所、オフィスの床の構造等を調査する。

ロ.まずフロアの平面図を用意する。レイアウトが分る程度で良い

  最初に考えること。フロア上のパソコン全てがつながるLANスイッチ
(またはハブ)の置き場所を探す。

  壁沿いでしかも部屋の中心付近。部屋の四隅に置くのは出来るだけ避ける。

ルール2 基本は少ない配線ルートでスター型の配線にすること

イ. センター・スイッチと島間の配線ルートを決める。島(フロア上の机の塊を島とみなす)

ロ. 配線ルートは基本的に壁に対して垂直または平行のどちらかの方向にする。
配線ルートは出来るだけ少なくする。

ハ.センター・スイッチと島の配線方法は「島ハブ方式」と「スター配線方式」の2種類が有る。
スター 配線方式のほうがメリットがある。

ニ.スター配線方式はすべてのパソコンをセンター・スイッチと直接接続する。
パソコンとセンター・スイッチが1対1の関係になり、LANの伝送帯域を
パソコン毎に独占でき る。
ネットワーク機器との接続形態も簡単に変更できる。

ルール3 電源ケーブルとは30センチ以内で平行にならないように気を配る
交差させるなら、直交させる。

イ. LANケーブルは電源ケーブルと平行に敷くと、電源ケーブルからノイズを受け
やすいという特性を持っている。平行するなら、30センチ以上は離す。

ロ. 調査時に電源ケーブルのマップも手に入れる。

ルール4 配線ルートの最終決定は床の構造を確認してから

イ. ここまでの作業でフロア・マップ上は理想的な配線ルートがひとまず完成した。
図面上の話で、物理的にケーブルが敷設可能な環境であるかは別問題だ。

ロ. 実際に配線ができるか同かは、ビルの床がどのような構造になっているかで決まる。

ハ. ビルの床構造はできれば、フリーアクセスフロア(OAフロア)検討する。
フリーアクセス型
フロア・ダクト型
平坦型


ステップ2 部材の選定

ルール5 ケーブルの素材は2種類有る。場所に応じて使い分ける
パッチ・ケーブル(ストランデッド・タイプ)とリンク・ケーブル(ソリッド・タイプ)の2種類が有る。

イ. センター・スイッチとパソコンを一本のケーブルで直につなぐことは、配線作業が
面倒になるだ けでなく、将来のレイアウト変更時の自由度も失うことになる。

ロ. 通常、センター・スイッチとパソコンは3本のケーブルをつなぎ合わせて接続する。

ハ. パッチ・ケーブル センター・スイッチとパッチ・パネルの間を接続したり、アウト
レットとパソコンをつなぐ時に使うケーブル。

ニ. リンク・ケーブル パッチ・パネルとアウトレット間を結ぶケーブル

ホ. 両者は、いずれも4対(8本)の芯線が入っているが、その芯線の構造が違う。
パッチ・ケーブルは数十本の細かい銅線が束になっている。
リンク・ケーブルの芯線は1本の銅線でできている。

ルール6 規格が「エンハンスド・カテゴリー5」で有るものを使う

イ. LANケーブルの規格はTIA EIA−588Aに準拠するものであること。

ロ. 規格は次ぎの様になっている。
10MB/S用の「カテゴリ3」、100MB/S用の「カテゴリ5」、
1GB/S用の「エンハンスド・カテゴリ5」

ハ. 出来るだけ上位のカテゴリのケーブルを使いたい。

ルール7 芯線の作りがしっかりしたケーブルを選ぶ

イ. ケーブルの内部は、2本の芯線を対にしてより合わせ、さらに4対を対ごとによってある。
良いケブルの条件は、
1 ケーブルのどこを切っても同じピッチでよってあること、
2 対ごとによりのピッチを微妙に変えてあること

ロ. 配線作業を楽にするには多対型ケーブルを使う

ハ. パッチ・ケーブルの場合は、両端のモジュラ・プラグにも気を配る。
上部の抜け止めピンが折れにくい構造のものを選ぶ。

ルール8 ケーブルの長さは余裕を見る

イ. 2〜3メートルは長めにしておく

ロ. ケーブルの色で使い分ける。フロアごととか島別とか、管理がしやすいように工夫する。


ステップ3 配線の施工

ルール9 ケーブルは丁寧に扱う

イ。 ケーブルを強く曲げると、ケーブルの中のよりピッチが伸びたり、対が開いてしまい、
ノイズの 影響を受け易くなる

ロ. 配線ルートどうりに全てのケーブルを並べ終わったら、一本づつアウトレットに接続する。

ハ. アウトレット側であまったケーブルはケーブルの直径の4倍以上の半径の円になるよう
に丸めて束ねる。

ルール10 束ねるときは強く縛り過ぎないように

イ. 次ぎにケーブルの反対側も、パッチ・パネルに接続するモジュラー・ジャックを取付ける。
モジュラー・ジャックにはめ込む。

ロ. この際、パッチ・パネルの裏側のケーブルは数ポートごとに束ねて整理する。

ハ. 束ねる場合はインシュロックは使わずに、マジックテープ式の柔らかい素材の結束
ベルトを使う

ニ. リンクケーブル(LANケーブル)はよりぐせがつきやすいので良くチェックをして、
よりぐせを直す。

ルール11 ラベル付けが後々の管理を楽にする

イ. ケーブルの重みによる折れを防ぐのに、ブーツを使うようする

ロ. 運用時の管理を楽にするためにも、ケーブルにはラベルをつけておく。


ステップ4 ケーブルの導通テスト

ルール12 テスターで配線ミスをあぶりだす

イ. 配線を終えたら導通テストを行う。
配線したケーブルを一本づつテスターを使ってきちんと通信できるかチェックする。

ロ. 高いテスターほど故障原因の追求に役立つ。
詳細な品質までを調べるには100万円程度の高額製品が必要である。結線と   
   導通を確認するだけなら、1万年程度でも手に入る。

ハ. 工事の品質保証をするには高性能のテスターが必要である。

ルール13 テスターはスイッチやパソコンの手前にいれる

イ. ケーブルのみの導通テストだけでは無意味である。
   パソコンに繋ぐケーブルからパッチ・ケーブルまで一体としてテストする。

以上は日経NETWORK 2000.06月号の記事を転載しました。ネットワーク工事を計画する際の
参考にいていただければ幸いです。


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