旧石器時代 2000.2.27 1部加筆

旧石器時代は三時代に区分されている
前期旧石器時代(約250万〜15万年前)は猿人原人の段階、中期旧石器時代(15万〜3万5000年前)は旧人の段階、後期旧石器時代(約3万5000〜1万年前)は新人の段階に、それぞれ当てられている。
旧石器時代は地質年代で見た場合、第三紀鮮新世末から第四紀更新世(洪積世)に属し、それは200万年前から1万年前の間に4回の氷期を数えると言う、大氷河時代でもあった。
4回の氷期-ギュンツ・ミンデル・リス・ウルムの各氷期をいう。
更新生の初期には地殻変動によって日本列島の骨格が出来始め、東アジア大陸との間に日本海が広がったが、東シナ海北部では陸続きだった。
その後、氷河期の海面降下のため、二万年前のウルム氷期には現在より約100メートルも海面は下がっていた。
当時の日本列島は亜寒帯から冷温帯気候に属し、気温は現在より四〜七度低かった。
更新生はまた、火山活動が活発な時期で、富士山や浅間山が噴火し、関東ローム層を代表とする火山灰層を堆積した。
日本列島の最古の時代を表すのに、先土器時代と言う用語を使ってきたが、それは縄文土器時代に先立つ日本独自の文化段階という意味で使われてきたが、現在では世界史的視野で石器文化を位置付ける旧石器文化(時代)と言う用語が、広く使われている。

地質年代 氷河年代 文化・人類 単位万年前
第三紀 鮮新世 ドナウ氷期 前期旧石器時代(猿人・原人段階)
−250万年〜−15万年前
北京原人 −60万年
秩父原人 −50万年
200
第四紀 更新世 前期 間氷期 150
ギュンツ氷期 100
中期 間氷期
ミンデル氷期 50
間氷期
リス氷期 中期旧石器時代(旧人段階)
−15万年〜−3万5千年前
15
後期 ウルム氷期 間氷期
亜氷期T
間氷期 4.5
亜氷期U 後期旧石器時代(新人段階)
−3万五千年〜−1万年前
3.3
間氷期 2.9
亜氷期V 2.2
亜氷期W 1.65
完新世 後氷期 新石器時代
(縄文時代)
1.3

以上の出典は「100問100答・日本の歴史2・原始・古代」より


では最古の日本人は誰か・・・・・・・日本人起源論へ(現在原稿まとめ中近日公開)

1999.8.10東京新聞 「北海道に原人渡来の可能性・・・」北海道新十津川町の総進不動坂遺跡から、30万〜20万年前のものと見られる石器3点が見つかった。

1999.6.17日経新聞 「35万年前の石器出土」埼玉県秩父市の長尾根遺跡で、約35万年前の前期旧石器時代の地層から、動物の解体などに使った削器など3点の石器が出土した。

1999.12.17東京新聞「65万年以前?日本最古級の石器」福島県安達町の一斗内松葉山遺跡の、65万〜60万年前より古い火山灰層から、日本最古級の石器14点を発見した。
1997年には隣接する同県二本松市の原セ笠張遺跡で60万〜50万年前の石器が出土している。

1999.11.14日経新聞「新たに最古?の遺跡」国内最古の約60万年前の石器が出土した宮城県築館町の上高森遺跡で、これまでに石器が出土した最下層よりさらに30センチ下の地層で石器一点を発見した。

NEW
2000.2.21東京新聞「秩父原人の生活跡、50万年前、日本最古の遺構」秩父市田村の小鹿坂遺跡(おがさか)で、前期旧石器時代(約50万年前)の地層から出土した石器30点と、「秩父原人」が利用したと見られる建物の柱の穴が円形に並んだ日本最古の生活遺構二箇所を発見した。また、石器を保存する埋納遺構も見つかった。

以上は前期旧石器時代(原人段階)の文化が日本列島に存在したことを証明している。約60万年前は北京原人と同時代である。また「中国で出土した百数十万年前の石器に似ているものがある」との指摘もある。

日本では旧石器以外に、人骨の追求もされているが、原人・旧人段階の人骨化石は確認されていない。
酸性の強い火山灰土では有機物は、土壌中のバクテリアや小動物などにより分解され、無機物に変わってしまうので残りにくい。
日本列島では、殆どの旧石器時代の遺跡で、ローム質の火山灰土層中に当時の遺物が埋もれているために、石器・焼石・炭などの無機物しか残存しない。

明石原人は実在したか

1997.10.7東京新聞 兵庫県明石市の藤江川添遺跡で、かつて「明石原人」の骨が出土したとされる地層「西八木層」(12万〜5万年前)から、メノウ製の石おのを発見した。
この地層の年代は中期旧石器時代に当たり
「原人」の段階ではなく「旧人」段階である。


   
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